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吉田 良行*; 池田 伸一*; 松畑 洋文*; 白川 直樹*; Lee, C.-H.*; 片野 進
Physical Review B, 72(5), p.054412_1 - 054412_7, 2005/08
被引用回数:118 パーセンタイル:94.76(Materials Science, Multidisciplinary)二重層化合物CaRuOの結晶構造を電子線回折と中性子回折によって調べた。回折パターンの温度依存性は全ての格子定数が48Kの一次のメタル-ノンメタル転移点で、結晶空間群の変化を伴うことなく、突然変化することを明らかに示した。またNeel温度56K以下の温度で磁気反射が観測された。この結果から、磁気構造は面内で強磁性的に、面間で反強磁性的に配列しているモデルを提案した。このモデルによれば、6T付近での磁気抵抗の磁場依存性が矛盾なく説明できる。
酒井 宏典; 加藤 治一; 神戸 振作; Walstedt, R. E.; 大野 浩之*; 加藤 将樹*; 吉村 一良*; 松畑 洋文*
Physical Review B, 66(10), p.100509_1 - 100509_4, 2002/09
被引用回数:25 パーセンタイル:72.83(Materials Science, Multidisciplinary)パイロクロア型酸化物超伝導体CdReOの200Kにおける構造相転移についてX線・電子線回折,Cd核NMR測定を用いて研究を行った。高温領域(T)の帯磁率は大きな負のWeiss温度をもつCurie-Weiss則に従う。このことは、この系が反強磁性的相互作用をもつ局在モーメント的に振る舞うことを示しており、幾何学的なフラストレーションを導く。X線・電子線回折測定から以下の温度領域において、ナノサイズのストライプ構造を誘起するReの4量体化が示唆された。Cd核NMR測定のいわゆる-プロットから大きな軌道帯磁率が示唆され、また、スピン帯磁率と核磁気緩和率を温度で割ったが以下で鋭く減少することから、フェルミ面における状態密度の減少,部分的なエネルギーギャップの形成が示唆された。
大嶋 江利子*; 菊地 昌枝*; 泉 富士夫*; 平賀 賢二*; 奥 健夫*; 中島 理*; 大西 直之*; 森井 幸生; 舩橋 達; 庄野 安彦*
Physica C, 221, p.261 - 268, 1994/00
被引用回数:19 パーセンタイル:74.3(Physics, Applied)TlSrCuOyの結晶構造解析を中性子回折データのリートベルト解析を主に、電子線回折および電子顕微鏡観測も併用して実施した。その結果CuO面のa軸方向に酸素欠損が生じており、それがb軸方向の超格子の形成と整合していることが判明した。銅は八面体配位とc軸を含む平面四配位を交互にとり、それに従って、頂点酸素の位置はc軸方向に大きく変動していることが明らかとなった。中性子回折から求まった結晶構造パラメータを使ったコンピュータシミュレーションによって電子顕微鏡写真が再生できた。
江坂 文孝; 蓬田 匠; 富田 涼平; 宮本 ユタカ
no journal, ,
環境中に存在する個々の微粒子に対してその化学状態を調べることは、その起源や環境への影響を明らかにする上で重要である。しかし、個々の微粒子中に含まれる元素量は少なく、元素組成のみならず化学状態まで明らかにすることは非常に困難である。本研究ではより微小な粒子の分析を目的として、電子線後方散乱回折(EBSD)法を用い、ウラン微粒子の化学状態分析への適用可能性について検討を行った。その結果、直径1m以下の粒子に対しても明瞭な電子線回折パターンを取得することができた。また、UO微粒子ではCubic構造、UO微粒子ではOrthorhombic構造に対応した電子線回折パターンを取得でき、本法により各微粒子の化学状態の違いを区別できることが示された。一方、微粒子の表面は平滑ではないため、測定位置によっては後方散乱電子の検出器への到達が妨げられ、明瞭な電子線回折パターンが取得できないことも明らかとなった。これは、微粒子表面を研磨することなどにより解決できるものと考えられる。